先日、山梨にリンゴの花を描きに行きました。
リンゴの花はハナカイドウのように、1か所に4~5個の花をつけますが、中心に咲く1個の花は他より先に咲き、少し大きめの花をつけます。その中心に咲く花だけを残してリンゴの実を実らせるのだそうです。
王林の花は蕾が濃いピンク色ですが、咲き進むとだんだん白くなっていきます。花は少し丸っこい形で、花柄は大きな実をつけるだけあって、太くしっかりとしています。
フジ林檎の花はうっすらとピンク色がかった蕾をつけ、花は真っ白です。林檎の種類によって、花の特徴も少しずつ違うようです。
山梨の路地物の桃の花はすでに終わりを迎え、リンゴの花も散り始め、藤の花が満開になり、あっという間に初夏に咲く花々の季節となりました。
新宿御苑の八重桜を華やかに彩る、濃いめのピンク色をした関山という名の桜が咲き始めました。
関山が咲き始めると、新宿御苑での桜スケッチも、あともう少しで終了です。ソメイヨシノが散って八重桜が咲き始めると、不思議と雨や風の日が多くなり、今日も小雨が降っている中、傘を差しながらのスケッチでした。今日のような雨の日は、スケッチブックが湿ってしまうので、HBのえんぴつやシャーペンでは画用紙に線が描けないので、4Bや5Bの柔らかいえんぴつを使うとスムーズに描けます。でも、消しゴムが使えないので少し不自由です。
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雄しべが花弁化して完全な花びらになっていないものを、旗弁と呼ぶのだそうですが、この関山の雄しべも小さな花びらのようになっていました。
一葉の場合は、雌しべが葉化して葉っぱのようになります。
八重桜の中に、福禄寿という花びらがきれいなウエーブを描く薄いピンク色の桜の花があります。この桜もいつも大変な人気で、描けるタイミングがなかなかありません。今年は運よくスケッチができました。
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福禄寿の木です。5分咲きといったところでしょうか。満開になると、大きな白いキノコのようです。ピンク色の花束のような花です。咲き進むと白っぽくなっていきます。
新宿御苑に咲く八重桜の中で数多く見かける「一葉」という名の八重桜があります。名前の由来は、めしべが葉化(葉に変化すること)していて、花の中心に細い葉っぱのようなめしべが1本見られるところから「一葉」という名がついたのだそうです。長谷川等伯 親子の「桜楓図」に描かれているような、きれいな円形の少しピンクがかった白い桜の花です。
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新宿御苑のソメイヨシノが桜吹雪になって舞う中、ひときわ白く豊かな花を持つ、白妙という八重桜が咲きます。通りかかる人がもれなく「かわいい~!!」と歓声をあげています。今年はソメイヨシノが思ったより長持ちしたせいか、いつも人気がありすぎてスケッチができないでいる白妙が描けました。
豊かなウエーブを持つ白妙の花びらの動きがつかみにくくて、花の中心がずれやすく、描くたびに苦心しています。
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新宿御苑では、チョウシュウヒザクラ、ヤエベニシダレ、大島桜、朱雀などの桜の花と、ハナカイドウ、ヤマブキ、ボケ、椿、などなど、今を盛りと美しい花々が咲いています。
新宿御苑の一重の桜は、ほぼ満開になり、公園中が華やかになりました。ソメイヨシノも一部蕾が残っているくらいで、花の中心が赤くなり始めました。花がしっかりした状態でソメイヨシノのスケッチができるのも、あと2,3日くらいといった感じです。
新宿御苑の桜の木には、長い年月のうちにホルモン異常で枝垂れている桜がたくさんあります。枝垂れ桜は、この性質を使って枝垂れ桜として育てる品種のようです。
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ソメイヨシノが満開の頃に「アメリカ」という名の桜が咲きます。ソメイヨシノより、ほんのりピンクに色づいた華やかな桜です。ソメイヨシノをアメリカで品種改良したものだそうです。
ソメイヨシノのお母さん、江戸彼岸桜も満開です。
今日の新宿御苑は、風も少なく暖かくて絶好のスケッチ日和でした。ソメイヨシノも3分咲きくらいになり、咲きかけで形のしっかりした花が描ける時期になりました。
ソメイヨシノは、江戸彼岸桜47%、大島桜37%、山桜11%不明5%というDNAを持っているとかで、葉がでる前に花が咲く江戸彼岸桜の特徴と、白く整った形を持つ大島桜(葉は桜餅の葉)の特徴を合わせ持っているようです。ソメイヨシノはすべて挿し木か接ぎ木で増やしてきたクローンで、同じDNAを持っているそうですが、新宿御苑のソメイヨシノは、木によって少しずつ花の形や咲き方が違うような気がします。木により、江戸彼岸桜のような細長く角ばった花びらに似た花だったり、花が少し小さめだったり、大島桜のように、少し大きくて丸みを帯びた花びらだったりします。桜の研究をなさってる方に詳しいことを伺えたらいいのにと、よくスケッチをしながら思います。
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新宿御苑では、ソメイヨシノが咲き始め、少しずつ華やかになってきました。
大島桜も爽やかな萌黄色の葉と大きな白い一重の花を咲かせはじめました。
小彼岸桜は満開になり、可愛らしい薄ピンク色の花を咲かせています。
一重の桜どうしでも、花の大きさや色だけでなく、花の形や枝ぶりの特徴の違いを同時に観察できるおもしろい時期です。
山梨県 石和 ハウス桃園の桃の花も、今日は8分咲きとなり、華やかになってきました。咲き始めの淡いピンク色と少し時間のたった濃いピンク色の花を同時に見ることができ、日々変化が美しいときです。
F4×2サイズの画面(↑)で、3時間くらい描きました。HB、2B、3Bの鉛筆、0,5mmHBのシャーペン、色鉛筆、ねり消しゴム、F4のスケッチブック(綴じ部分がつながっているもの)を使っています。
桃の花の特徴として、1本の枝先に花が密集して咲くので、1つ1つの花のディテールも大切ですが、塊りとしての形に常に気をくばって、全体→部分→全体→部分、といった意識を持ちながらスケッチをすると、いい形がとれてくるような気がします。
たとえば、花のついている枝全体の輪郭を確認しながら描きます。部分で大切なことは、一輪一輪の花の中心がとれているかを確認しながら、花の柔らかい表情や特徴をできる限り拾っていくことではないかなと思います。(スケッチには、人それぞれのとらえ方があるので、当サイトも自分の方法を見付けるための参考にしていただけると嬉しいです。)
花が咲きかけの淡いピンク色の時は、シベが白く花粉は固くてオレンジの濃い色をしています。シベが赤くなってくると、花粉はきれいな黄色になり、赤いシベの中で目立つ色となり、受粉できる状態になります。花は、時間とともに変化する過程で、花びらもシベも花粉もそれぞれの状態に合った美しい色や形の組み合わせで変化しているように感じます。
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今日は 山梨県 石和のハウス桃園に行って来ました。新宿から高速バス(往復2800円)で石和まで行き、そこからタクシー(1600円くらい)でJAふえふき富士見直売所まで行きます。ここで入場料を500円払って、ハウス桃園に案内してもらいました。ハウスの中は暖かく風も無いので、花もちも良くスケッチしやすいです。今年は暖冬で、桃の木の休眠期があまりとれなかったそうで、ハウスの桃の花は、まだ1分咲きくらいでした。見頃になるのは今週末くらいから?のようです。桃の栽培には休眠期という時期が必要だそうで、休眠期には、7℃以下の時間が800時間~1000時間くらいいるのだそうです。暖冬の今年は、なかなかその時間がとれず、ビニールハウスで囲うことができなく、花の時期も遅れたということらしいです。「最近の気候変動で、山梨でとれるフルーツもずいぶん変わってきたよ。ウチは昔リンゴ農家だったんだけど、リンゴはもうおいしくできないから今年は木を切ったんだぁ。桃も福島でたくさんとれるようになったしなぁ。」などと、桃の栽培をしているご主人が、今年ウチでできた最後のリンゴだよと私にリンゴを勧めながら言われておりました。気候と共に日本のフルーツ栽培も変わりつつあるようです。
寒桜も8分~9分咲きとなり、すっかり華やかになりました。今日は晴天でしたが、意外と風があってスケッチをしていると冷え込む1日でした。まだ蕾が残っている7分~9分咲きくらいの頃の花は、花の形がしっかりしていて、スケッチをするには一番描きやすい頃なのではないかと思います。
今年の冬は、暖かかったり寒かったりの繰り返しで、花が咲いたかと思うとすぐに散ってしまって、満開になっても、なんとなく花に元気が無く、きれいな形を見付けにくいような気がします。
🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸お勧めの本🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸
最近、三菱一号館 館長の高橋明也さんが書かれた「『美術館の舞台裏』ー魅せる展覧会を作るには(ちくま新書)」という本を読みました。美術界の興味深い話はもちろんのこと、内容も時代も多岐に渡って書かれておりました。かなりお勧めです。美術館の企画展を観ないと、損をしてしまうかもしれないと感じてしまいました。高橋さんの思うつぼです。絵を観ることから始まって、今、絵を描いている自分に、もう一度鑑賞者であった自分を思い出させてくれる貴重な一冊でした。
あけましておめでとうございます!!
新年には、梅や桜の花が咲く前のスケッチの練習として、骨格のしっかりとした花を描いて花のスケッチの勘を取り戻します。花のスケッチは、いつも1月半ばくらいから、6月の蚊の出る季節まで、雨の日以外は外にスケッチに出かけます。風景の取材に出かける時以外は、半年はスケッチをもとに家で制作をしているので、1月のスケッチはじめには、しばらく勘がもとに戻りません。そのため、まずは初心に帰り、百合やバラの花(骨格のしっかりした花)をスケッチしますが、1月に百合やバラの花は、まだ咲く季節ではないので、切り花を買ってきてスケッチをします。ただ切り花は、花そのものは美しいのですが、日の光を浴びた野外で咲く花と違って、のびやかな美しい形を描きにくいのが、ちょっと残念です。
百合の花を描く時は、つぼみの時の花の状態と、開いてからの花の状態をよく観察して、内側に包み込まれている花びら3枚と外側の花びら3枚の特徴を描き分けるとしっかりした形が描けるような気がします。
花びらの頂点と花の付け根を結んだ線や花の中心線が作る形を意識しながら 花の動きを描きます。
日本画家 横尾英子のページ・Japanese painter ・Eiko Yokoo ・Japanese‐style paintings