15×15センチの大きさで、関山(さくら)を描きました。3月27日から5月5日まで、葉月ホールハウス春のアンソロジー展に出品いたします。お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りくださいませ。
いろいろな分野でご活躍中の若い作家さんとご一緒させていただく、女性ばかりの9人展です。今回はサムホール以下の作品数点を出品させていただきます。
昨日、今日の新宿御苑は暖かく、スケッチをしている間にも、花の咲き具合が刻々と変わっていきました。ソメイヨシノが咲く少し前のこの時期には、陽光や大島桜、高遠小彼岸桜、小彼岸桜と、桜の花が次々に咲き始めます。
今日は、可憐に咲く小彼岸桜のスケッチをしました。小彼岸桜の花を描けるようになりたくて、毎年スケッチしてみるのですが、いまだに思うようなスケッチができません。今年は花の骨格がよく観察できるように、蕾の多い時期からスタートです。小さい花を持つ桜の花びらは、枝垂れ桜にしても、十月桜にしても、形がとても美しいのですが、小さくて観察するのに根気がいります。鉛筆をよく尖らせて、花びらの動きのリズムをとらえると、より描きやすいような気がします。
先日、江戸東京博物館 にて、レオナルド・ダ・ヴィンチ「糸巻きの聖母」を観てきました。閉館1時間前に入場したせいか、来場者も少なく「糸巻きの聖母」の前で、幸せなひと時を過ごすことができました。「糸巻きの聖母」は、8号?ほどの小さな絵で、スコットランドのバクルー公爵家が所有し、公爵家が代々どこに行くにも連れて行き、家族のいる食卓に飾り、長い間受け継がれ、愛され続けてきた絵画だったと伺ったことがあります。
ダビンチのデッサンは、自然や人を限りなく冷静な目や心で観察しているように見えるのに、なぜその作品は、神をも感じさせる、温かく、深い慈愛に満ちた世界として、鑑賞者を魅了することができるのか、まるで神が描いたように感じる作品に、思わず涙が出そうになりました。500年前の偉大な作家の作品に、思いっきり感動できた展覧会でした。
ダビンチ展を観た感動で胸がいっぱいになりながら、つい考えてしまうことがありました。というのも、絵画において、人を包み込むような巨大な空間に描かれた絵は、迫力のある素晴らしいものではありますが「糸巻きの聖母」のように、小さくても無限に広がる絵画空間に、心を引き込んでくれる絵画は、何よりも大きな感動を生んでくれるのではないかと。物理的な空間には限界があり、心がつくる空間は無限であると。絵画とは、視覚が認識した世界を、人の心が広げる世界でありたいと。などと、つらつら考えながら帰路につきました。
石和ハウス桃園の桃の花も受粉期を迎え、今年のハウスでのスケッチは終了です。今日は久しぶりに新宿御苑に行ってきました。モクレン、マンサク、サンシュ、大寒桜と、春を告げる花々が咲きだしました。
山梨県 石和 ハウス桃園の桃の花も、今日は8分咲きとなり、華やかになってきました。咲き始めの淡いピンク色と少し時間のたった濃いピンク色の花を同時に見ることができ、日々変化が美しいときです。
F4×2サイズの画面(↑)で、3時間くらい描きました。HB、2B、3Bの鉛筆、0,5mmHBのシャーペン、色鉛筆、ねり消しゴム、F4のスケッチブック(綴じ部分がつながっているもの)を使っています。
桃の花の特徴として、1本の枝先に花が密集して咲くので、1つ1つの花のディテールも大切ですが、塊りとしての形に常に気をくばって、全体→部分→全体→部分、といった意識を持ちながらスケッチをすると、いい形がとれてくるような気がします。
たとえば、花のついている枝全体の輪郭を確認しながら描きます。部分で大切なことは、一輪一輪の花の中心がとれているかを確認しながら、花の柔らかい表情や特徴をできる限り拾っていくことではないかなと思います。(スケッチには、人それぞれのとらえ方があるので、当サイトも自分の方法を見付けるための参考にしていただけると嬉しいです。)
花が咲きかけの淡いピンク色の時は、シベが白く花粉は固くてオレンジの濃い色をしています。シベが赤くなってくると、花粉はきれいな黄色になり、赤いシベの中で目立つ色となり、受粉できる状態になります。花は、時間とともに変化する過程で、花びらもシベも花粉もそれぞれの状態に合った美しい色や形の組み合わせで変化しているように感じます。
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今日は 山梨県 石和のハウス桃園に行って来ました。新宿から高速バス(往復2800円)で石和まで行き、そこからタクシー(1600円くらい)でJAふえふき富士見直売所まで行きます。ここで入場料を500円払って、ハウス桃園に案内してもらいました。ハウスの中は暖かく風も無いので、花もちも良くスケッチしやすいです。今年は暖冬で、桃の木の休眠期があまりとれなかったそうで、ハウスの桃の花は、まだ1分咲きくらいでした。見頃になるのは今週末くらいから?のようです。桃の栽培には休眠期という時期が必要だそうで、休眠期には、7℃以下の時間が800時間~1000時間くらいいるのだそうです。暖冬の今年は、なかなかその時間がとれず、ビニールハウスで囲うことができなく、花の時期も遅れたということらしいです。「最近の気候変動で、山梨でとれるフルーツもずいぶん変わってきたよ。ウチは昔リンゴ農家だったんだけど、リンゴはもうおいしくできないから今年は木を切ったんだぁ。桃も福島でたくさんとれるようになったしなぁ。」などと、桃の栽培をしているご主人が、今年ウチでできた最後のリンゴだよと私にリンゴを勧めながら言われておりました。気候と共に日本のフルーツ栽培も変わりつつあるようです。
寒桜も8分~9分咲きとなり、すっかり華やかになりました。今日は晴天でしたが、意外と風があってスケッチをしていると冷え込む1日でした。まだ蕾が残っている7分~9分咲きくらいの頃の花は、花の形がしっかりしていて、スケッチをするには一番描きやすい頃なのではないかと思います。
今年の冬は、暖かかったり寒かったりの繰り返しで、花が咲いたかと思うとすぐに散ってしまって、満開になっても、なんとなく花に元気が無く、きれいな形を見付けにくいような気がします。
最近、三菱一号館 館長の高橋明也さんが書かれた「『美術館の舞台裏』ー魅せる展覧会を作るには(ちくま新書)」という本を読みました。美術界の興味深い話はもちろんのこと、内容も時代も多岐に渡って書かれておりました。かなりお勧めです。美術館の企画展を観ないと、損をしてしまうかもしれないと感じてしまいました。高橋さんの思うつぼです。絵を観ることから始まって、今、絵を描いている自分に、もう一度鑑賞者であった自分を思い出させてくれる貴重な一冊でした。
新年には、梅や桜の花が咲く前のスケッチの練習として、骨格のしっかりとした花を描いて花のスケッチの勘を取り戻します。花のスケッチは、いつも1月半ばくらいから、6月の蚊の出る季節まで、雨の日以外は外にスケッチに出かけます。風景の取材に出かける時以外は、半年はスケッチをもとに家で制作をしているので、1月のスケッチはじめには、しばらく勘がもとに戻りません。そのため、まずは初心に帰り、百合やバラの花(骨格のしっかりした花)をスケッチしますが、1月に百合やバラの花は、まだ咲く季節ではないので、切り花を買ってきてスケッチをします。ただ切り花は、花そのものは美しいのですが、日の光を浴びた野外で咲く花と違って、のびやかな美しい形を描きにくいのが、ちょっと残念です。
百合の花を描く時は、つぼみの時の花の状態と、開いてからの花の状態をよく観察して、内側に包み込まれている花びら3枚と外側の花びら3枚の特徴を描き分けるとしっかりした形が描けるような気がします。
11月13日(金)~22日(日)まで 日本橋 秀山堂画廊にて個展をいたします。サイトをご覧の皆様、お気軽にお立ち寄りくださいませ。103-0022 東京都日本橋室町3-2-18海老屋ビル6F TEL03-3245 1340
夏の終わりに皇居東御苑でスケッチした芙蓉の花を日本画の絵の具で描きました。東御苑は、旧江戸城の本丸、二の丸、三の丸の一部を宮殿の造営にあわせて皇居付属庭園として整備されたものだそうです。いつもきれいに整備された美しいお庭と、自然のままに残された木陰の空間があり、一年を通していろいろな花を見ることができます。江戸城の天守閣、大奥、松の廊下などの跡地に咲く花を、のんびりとスケッチできる素敵な場所です。
東京書籍さんから出版されております「昭和天皇実録」3,4巻 9月出版の帯の原画です。みかんの花の古名として「花橘」という題名にいたしました。
11月13日~22日まで 日本橋 秀山堂画廊(103-0022 東京都日本橋室町3-2-18海老屋ビル6F TEL03-3245 1340)での個展に出品いたします。
昨日、浅間高原シャクナゲ園で屋久島シャクナゲをスケッチしてきました。浅間高原シャクナゲ園では、吾妻シャクナゲがたくさん咲きますが、今年はほぼ終わりかけでした。その代り屋久島シャクナゲが咲きかけで、つぼみの濃いピンクと花の白く美しいコントラストが見れました。屋久島シャクナゲの葉の裏側は、吾妻シャクナゲよりさらに毛羽立ったようになっていて、色は白く、裏側に向かって反り返ったような形をしています。
高原に咲く日本産のシャクナゲは、この上なく美しい花です。咲きかけの花は形がしっかりしていて、つぼみの時の形を想像しながら描けるので、バランスのいい形を見つけやすいです。
スケッチをする時のとらえ方の1つとして、モチーフ自体の輪郭線を見るだけでなく、モチーフがつくる空間の形(たとえば、葉と葉がつくる空間の形など)も意識しながらスケッチをすると、きれいな形や、立体感のある形が見つけやすくなります。
めくれた花びらは、頭の中で開いた状態を想像しながら描くと、大きさやバランスを崩さないように描けます。
つぼみの状態から、花が開くまでのスケッチをしておくと、花のつくりが良く理解できるので、できる限りつぼみからスケッチするようにしています。
そろそろ新宿御苑のツツジも終わりかけです。今年は暑いくらいの日が続いたせいか、少し早いような気がします。描かずに枯れてしまうのが残念なので、ちょっとだけ御苑に寄って、一枝だけツツジの花のスケッチをしてきました。ツツジ科のシャクナゲと花のつくりが似ています。
今日は、夏みかんの花をスケッチしました。花びらは肉厚で、甘いいい香りがします。甘い香りに誘われて、ハチや蝶、鳥が訪れる季節となりました。桜の花が描けるようになりたくて始めた花のスケッチですが、日々、自然とはよくできたものだと考えさせられることが多い毎日です。というのも、桜や桃の季節には、まだまだハチや蝶のような昆虫は見られない代わりに、春の風は強く、花びらもヒラヒラと風に舞い、花粉も風が運びやすく、また春の強い風がおさまる5月には、花粉を運んでくれる虫たちを誘うような甘い香りや、ハチや蝶が花の上でしっかりと蜜が吸えるためであるように、大きな花を持つ牡丹や芍薬、石楠花のような花が咲き、小さくても硬い肉厚の花びらを持つみかんのような花が咲きます。江戸時代、この季節の花の絵には、蝶やハチや鳥の姿が描かれているのを思い出して、今更ながら、なるほど!!と、一人悦に入った一日でした。